一宮町指定文化財


 庚申とは、干支の庚申にあたる禁忌行事を
中心とする信仰で中国の道教に起源を持つ
守庚申が日本に伝わり独特の変化を見せた
民族祭事である。
  その本体も様々で青面金剛のほか帝釈天、
猿田彦、道祖神から猿にまで及ぶ。
平安末期から庚申信仰の現われの一つとして
建てられたのが庚申塔で元禄から享保年間に
多かったといわれている。
 この塔は元禄九年(1696)十二月の建立で
町内最古のものである。
 やや風化して文字の判読は困難だが
日月、双鳥、三猿などが揃い
六臂の青面金剛の憤怒相の特徴は
つり上がったそのまなざしなどに
十分うかがうことができる。